なぜ日本の大企業でデジタルトランスフォーメーション(DX)が進まないのか

 仕事で、DXの推進を検討する立場にあり、色々な本からなぜDXが進まないのかまとめたときのメモ。適宜アップデート。

 

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは

デジタルトランスフォーメーションとは、デジタル技術により、業務やサービスを(規程やルールも含めて)根本的に見直し、業務やサービスの抜本的変革に繋げること。
 
よくある勘違いとして、カイゼンのイメージで、既存の業務の一部をデジタルによって効率化するようなものがあげられる場合もあるが、これは、あくまで単なるデジタル化(Digitaization)。大切なのは、デジタル時代に合わせて根本的に仕事やサービスのやり方を見直すこと。
 

なぜDXが必要なのか

日本全体で言えば、世界から取り残されているから。世界はデジタル技術の進歩に合わせて、業務やサービスを見直してきたのに、日本はそれを全くしてこなかったから。確かに大企業に務めていると、いまだに紙文化であったり、いわゆるデータとかに基づかない意思決定が行われていると感じる。
とあるところで聞いた話では、DXという言葉が流行っているのは日本だけとか。世界からしたらとっくに取り組んできたことなのでしょうね。
 

なぜDXが進まないのか

①縦割りな組織

大企業はどこもそうなのだと思いますが、組織が縦割りなため、会社全体で大きな見直しをすることが難しいこと。縦割り打破という掛け声だけは聞こえますが、実際にそれが成果に繋がったということはなかなか聞きません。

②経営層の関心のなさ

組織が縦割りならば、トップの鶴の一声で進めるしかないと思うが、経営層もデジタルに関心が低く、いまだに、現場主義の名の下に現場のカイゼンを進めようとしていたりする。現場主義は良いが大抵の場合は現場迎合主義になっている。結局現場主義という言葉はまともに将来を見据えたあるべき経営を考えてこなかった経営層がその責任を現場になすりつける言葉でしかない。
 

③終身雇用

日本固有の終身雇用という点も影響している。終身雇用なメンバーシップ型雇用が前提のため、具体的な業務内容や権限、評価などが定まっていないことが多いため、失敗しないことに関心がむきがちで、新しいことにチャレンジしようというモチベーションが生まれにくい。さらに失敗をしてもその失敗が隠されてしまうため、新しいことにチャンレジするノウハウが蓄積されない。DXでは小さいことから色々チャレンジし、失敗してもそれを糧に成功に繋げることが大切。(Netflixの上層部の講演を聞いたが、チームで働く時に大切なのは失敗を共有し同じ失敗を繰り返さないことと言っていた。日本でこれができるだろうか。)
 
終身雇用では、人材の流動性が低いため、外部から新しい考え方が会社に持ち込まれにくいというのもある。

③精神面

日本人の考え方も影響している。どちらかというと画一的で、個性を認めない。周りに合わせる。出る杭は打たれるなど。英語ができないので、世界の流れが読めないというのも問題。(英語は全員ができる必要はない。問題なのは経営層が英語ができないため、世界の動きに疎いこと。新聞を読んでいるという意見もあろうが、そもそも新聞記者の英語力がないため、世界の情勢を読みきれていない。)